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のほほん本舗

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ア行

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「アカルイミライ」

黒沢清監督作品である「アカルイミライ」を観た。
http://www.uplink.co.jp/brightfuture/
主な登場人物は、オダギリジョー、浅野忠信、藤 竜也の3人だ。
それぞれ、芸達者でいい味を出している。
特に浅野忠信は、演技がもの凄く巧い!世界で認められるのもわかるな。
不気味で何考えているかわからない、ミステリアスさを演じさせれば彼の右に出るものはいないだろう。
日本にも素晴らしい俳優がいるものです。

この映画には、混沌とした現代社会をさまざまな表象や象徴を使って表現している。それがまた不親切なつくりになっていて、観るものの見方感じ方に任せているのが実に面白い。
映画とは、そんなものだろう。

この映画で一番、象徴的に使用されているのが猛毒を持つと言われている「アカクラゲ」だろう。
このクラゲのように社会の中を漂いながら、フラフラ浮遊しながら生きる生き方ってどうなのだろう?

アチキは本人がそれで満足していればそれが最高だと思う。
まっ、現状をわかっていて、達観している状態ならね。

ただ、同じフラフラでも、内面では不満を抱き、怒りや不安、恐怖、孤独といったネガティブな陰性感情を持つようであれば、それは現状からの逃げであり、勇気のない生き方と言える。

アチキは、まだ前者のような達観した生き方が出来ない。
が、逃げることはしないつもりでいる。
自分がどういう方向へ向かって進んでいけばいいのかは自分で考えて判断したい。
そしてそれに向けてベストを尽くすのみだ。
それから先は、神のみぞ知るところ。お任せです。

将来的には、漂いながらも自分を見失わないような人間になりたいものです。まっ、それは老後だな。
若いうちは試行錯誤して頑張るっきゃないです。修行ですな。
押忍!!

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「阿弥陀堂だより」

小泉堯史監督の「阿弥陀堂だより」を観た。
はっきりいってストーリー性はほどんどないけど、観終わった後、心がジワ~ッと癒される映画である。
都会生活を長くしていると、自然との共有、世代を超えた繋がり、緩やかな時間の流れなど忘れがちなんだよね。
この映画は、パニック障碍で夫と共に故郷の奥信濃に戻り、そこで暮らす素朴で心優しい村人達との交流に中で自信と生きる喜びを取り戻していくんだけど、自然の流れに逆らわない生き方って一番力強いのかもしれないな。
この映画で主人公の中学時代の恩師が末期がんで死んでいくシーンがあるんだけど、その死に様が実に潔い。
特別なことはせず、いつもと同じ様な生活をして、静かに死んでいく。ガンで死んでいくというよりは自然死って感じだな。
人間って特別になろうとしすぎると苦しくなるんだろうな。
普通に生きる勇気って一番必要なのかもしれない。

ブッシュマンのニカウさんもいつものように薪拾いに行く途中、自然死されたらしい。彼も、自然と共存しながら当り前に普通に生きて静かに死んで行ったのだろう。素敵な生き方だな。南無阿弥陀仏合掌。

話は阿弥陀堂だよりに戻るけど、樋口可南子が綺麗のなんのって!もう、大変!!あーいう奥さん、いいな~っ。

公式HPhttp://www.amidado.com/

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「アメリ 」

仏映画「アメリ」が話題になったのは2年程前だったかな~。
みんなこぞって、クリームブリュレを割ってアメリ気分になっている姿をよく見かけたものです。
なんだか、女の子の映画って印象が強かったのでこっぱずかしくて、観ていなかったんだけど、今日遂に見ちゃいました(^^ゞ
ん~予想通り女の子向けだった。。。いかにもフランスの小粋でお洒落な映画でまるでファッション雑誌をパラパラとテンポよく見ている感じだったな。ビデオカバーの裏の能書きに「アメリの素敵な悪戯が心を和ましてくれる。」なーんて書いてあぅたけど、残念ながらアチキは感じなかった。。。頭がかたいんだろうか???
あと、孤独からのくる空想癖と現実逃避がよく言われていましたが、アメリの行動力と観察力は何なのでしょうか?そして、隣のガラスの骨の爺さんや盲目の方とのコミュニケーションスキルはなかなかです。孤独な子供時代を過ごしていてはとてもとても。。。
えっ!映画だって?そりゃそうだ。失礼しやした。
でも、なんだかんだ言いながら面白かったですよ。レトロな音楽も素敵でした。アメリもかわいいです。はい。

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「UNLOVED」

昨年にミニシアターで上映された万田邦敏監督の長編映画デビュー作品。カンヌでもなんか賞をとったらしい。
この映画は、友人で女優の岩井香住美ちゃんが、OL役でチラッと出演したというので映画館でも観に行ったのです。

で、この映画あまりにも印象深い作品だったので改めてビデオを借りて観てみた。

この映画は、現実主義の女性と理想主義の男性という関係が描かれている。
森口瑶子が演じるヒロインは、とにかく自分が自分でいられる。
自分の気持ちも相手の気持ちも気にしないでいられるという生き方を貫いている。
生活スタイルも男女関係も仕事も「今のままが気に入っている」と頑として崩さない。
しかし、男性はどうしても夢を追いかけ、出来もしないことにチャレンジして無茶したり、見栄を張ったり、時には他人と比べて僻んだりしてしまう。まっ、要するに馬鹿なところがある。
彼女にしてみれば、そういう男の生き方は、「分相応じゃない」「似合わない」、「今のままでいいじゃない」という主張をする。
ん~、このタイトルのようにこれでは「愛されない」だろうな。

この映画を観て女性はどんな感想を持つのだろう?
この女性の生き方をみて、「カッコいい」「自分に正直」「あるがままの自分を受け入れている」などなど好感的に受け取る人が圧倒的なのじゃないかな?
アチキもこういう女性は友人としては、お付き合いできるが、男女関係としてお付き合いするのはくだびれそうだ。
まっ、これは女性、男性というか、人間は多少は自分を殺してでも人と合わせられるような柔軟性、妥協性も必要なんじゃないかなと思うのです。

この映画、男女関係の映画としてはとても面白いので是非、観て感想を聞かせて下さいな。
http://unloved.acommy.com/
http://www.shibalov.com/unloved/

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「活きる」

「初恋のきた道」「あの子を探して」のチャン・イーモウ監督作品。1994年カンヌ映画祭で審査員特別賞・主演男優賞を受賞したらしい。家族愛と同時に中国の国共内戦や文革を批判した作りになっているためか中国では上映禁止になったらしい。今でもそうなのかな?

<ストーリー>
http://www.tv-tokyo.co.jp/telecine/cinema/ikiru/index.html

tomochifさんが絶賛しただけあって、完成度が高い素晴らしい映画だった。
観終わった後に、ジワ~ッと心に残ったわい。
影絵を象徴的に使い、時代に弄ばれる庶民の苦悩がとてもよく描かれている。
富と貧、離散と団欒、友情と憎悪、生と死。。。どのシーンにも光と影がある。
どんなに悲惨でどうにもならない状況に追い込まれていても、力の限りなりふり構わず活きることの大切さをこの映画で学ぶ事ができた。
福貴が自殺しようとしている親友の春生にいうセリフ
「辛いだろうが、我慢しろ!耐えぬけ!活きろ!」なんとも力強いメッセージだろう。カウンセリングでクンネクンネ聴くのも時には大切だろうが、こういう気迫の入った言葉の方が相手にとっては胸に響くような気がする。
説得力のあるなしは、その人の生き様から出てくるものだ。
人生とはどんな状況であっても、影絵の人形のようにクルリと返せば、違う見方も出来るもかもしれない。
環境や状況に支配されず、力強く活き切ることが我々の使命なのだろう。

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「妹の恋人」(BENNY&JOON)

「妹の恋人」というビデオを観た。
いや~っ、面白かったわい(^o^)

ストーリーは、両親を早くして無くし身寄りの無い仲良しの兄と妹。妹(ジューン)は精神病を患っており、兄(ベニー)は過保護、過干渉になっている。そう、典型的な共依存関係ね。そんな二人が暮らす家庭に、ポーカーの賭けで負けて風変わりな青年(サム)が同居することになる。青年の不思議な魅力は、妹を快方に向かわせ、兄も自分自身の弱さに気づき、其々が自立していく人間愛物語である。

ネットのレビューを見ていると、皆さんサム役のJ.デップの演技力を絶賛されていたな。ん、確かに巧い!シリアス&コミカルな演技は、誰にもマネができないな。ん。凄い役者だ。

アチキは、この青年が精神病の妹を回復に導いたことに関心を持った。
何時だったか、友人から「カウンセラーはいつでも人を喜ばす力を持っていなくてはいけない。」って言っていたセリフを思い出した。
よくカウンセリングセミナーに行くと「よし!傾聴するぞ!」とバリバリに気合が入っていて、周りにいる人間にまで緊張感や不安感を与え、心を反って閉ざしてしまうことがあるんだよな~っ。
まずは、「共に一緒にいてリラックスできて、退屈させない。」という人間的な魅力がないと心を開くどころか、逃げたしたくなるもんです。
このJ.デップが演じる青年サムは、この点、実に楽しいし、相手を退屈させない。
妹の妄想世界にも、自分を失わずに自然と解けこめる度量も感じられた。ん~カッコいい!!
確かに、専門知識や、技術も必要だろうが、対人援助をするものにはエンターティナーとしての要素も必要なのかもしれない。

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「 海辺の家 」

一日中寒かったな~。
風が強くて原チャリ通勤のアチキは辛かった。
でも、午前中公園清掃に行ったメンバーや職員はもっと辛かっただろうな。ご苦労様です。

「海辺の家」のビデオを観ました。癌で余命いくばくもないジョージが離婚した妻が育てている不良息子に向かって「俺は自分の親父を恨んだ。親父はは俺を虫けらみたいな親父より、さらに小さな人間にしようとした。しかし、オレはお前を幸せにしてあげたい」
と言ったセリフは痺れました。いつの日かアチキにも子供が出来た時には、このセリフは言ってあげたいと思う。ん。素敵だ!
それと、「悪い事が良い事を導く事もある。」これも名セリフですね。当り前のことなんですけどね。大切な視点です。
何よりもこの映画の優れた点は、父子を中心とした周囲の人たちが本音をぶつけ合うことによって、多くの気づきを得られた事だと思います。
本音をぶつけることはとても勇気がいることですが、とても大切なことですね。まぁ~やりすぎに注意ですけど。

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「es」

 独映画「es」を観ました。この映画は1971年にスタンフォード大学で実際に行なわれた監獄実験を映画化したものなんです。この実験のテーマは環境や状況が人間の人格に大きな影響を与えるということなんです。たしかに、職業や役職によって、人は変わるものであり、変わらなければいけないものである。ただ、その殆どは自分自身が決めていることを忘れちゃいけない。この映画を観ていると、人間はまるで環境や状況に支配され、無力なような感じになってしまうので、アチキは教育上良くない映画だと思いました。
 人間は環境や状況の奴隷ではなく、常に自分の生き方を選択し、決断する自由選択の意志があることを忘れてはならない。この映画のように、監獄に入れられたり、アウシュビッツの強制収容所のような極限状態に立たされれば、なかなか難しいが、そのような中でも自分を失わず生き抜いた男がいる。ヴィクトール・フランクルである。彼は強制収容所の捕虜として囚われながら、過酷で陰惨な日々を冷静な目を失わずに「夜と霧」(原題『ある心理学者の強制収容所体験』)を書いていたのだ。筋金入りの頑固者なんだろうな~っ。ただ、このおっさんの素敵なところは、どんな状況に置いても絶対的に人生を肯定的に捉えるという考え方をしているのです。I’m OK.You’re OK.の考えがあるのです。最後まで人間への尊厳さへの信頼を忘れなかったんでしょうね。この感覚が根底にないとこの監獄実験のように分裂や争いしか生み出さない。今、起きそうになっている戦争もそうですね。悲しい事です。
 映画としては、脚本、監督が下手すぎて笑ってしまった。時代設定も無茶苦茶で突然、最新型のメガネ録画装置や、携帯電話が登場するは、無駄なラブシーンが登場するはで、最低。タイトルも実験心理学に精神分析用語を用いるなど???です。
 むしろ、実際の実験を忠実に再現したらインパクトが強かったと思った。興味のある方は。スタンフォード大ジンバルドー教授のHPを見てください。実際は怖いです。http://www.zimbardo.com/

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「桜桃の味」

1997年のカンヌ映画祭で最高賞を受賞したイラン映画。
この映画、8割が車の中のシーン。そして風景は禿山の道。CGなどの特殊撮影なし。出演者は素人(ほとんどがオッサン)。音楽無し。ストーリー極めて単調。

さてさて、こういう映画どう思いますか?
アチキはとても眠くなりました。途中で仮眠を入れてみた映画はあまりありませんが、とてもじゃないけど1時間半持ちませんでした。

ただ、内容はなかなか面白かった。
一言でいえば、孤独なオッサンがこの世に生きる意味を見出せなくなって自殺願望を抱く。ただ、根性無しで寂しがり屋なので、1人で死ねないので、自殺の助手を何人にもお願いするというお話。

その孤独なオッサンの依頼は、次のとおり。
「今夜、睡眠薬を飲んでこの穴の中で横たわるから、明日の夜明け前にここに来て名前を呼んでおくれ。もし、返事をしたら生きてるから手を差し伸べて助けてくれ。そして、もし返事がなければショベルで20杯土を掛けてくれ。もちろん報酬はそれなりの金額を出す。」
みなさんは、どうしますか?

この映画では逃げ出す若兵士。コーランの教えを説教する神学生。そして自分の体験を話す老人。が出てくる。
アチキは、説教タイプだろうな。
なんとか生きる希望をもってほしいとあれこれ説得しそう。
悪い癖なんだよな~っ。

彼の心を揺さぶったのは、最後の老人の体験談。
以下、長いけど引用します。

「一つ、わしの思い出を話そう。結婚したばかりの頃だ。生活は苦しく、すべてが悪くなるばかりだ。わしは疲れ果て、死んだら楽になると思った。もう限界だとね。ある朝、車にロープを積んで家を出た。わしは固く決意してた、自殺しようと。わしは家の側の果樹園に入っていった。1本の桑の木があった。まだあたりは真っ暗でね。ロープを投げたが枝に掛からない。1度投げてだめ、2度投げてもだめ。とうとう木に登ってロープを枝に結んだ。すると手に何か柔らかいものが触れた。熟れた桑の実だった。一つ食べた。甘かった……。二つ食べ、三つ食べ……、いつの間にか夜が明け、山の向こうに日が昇ってきた。美しい太陽!美しい風景!美しい緑!学校へ行く子供たちの声が聞こえてきた。子供たちが木を揺すれと。わしは木を揺すった。皆、落ちた実を食べた。わしは嬉しくなった。それで、桑の実を摘んで家に持って帰った。妻はまだ眠っていた。妻も起きてから桑の実を食べた。美味しいと言ってね。わしは死を置き忘れて桑の実を持って帰った。桑の実に命を救われた。桑の実に命を救われた。」

おそらく、この老人も自殺を希望しているオッサンも死にたいと言いつつも、それ以上に「生きたい」という気持ちが強かったのだろうな。
「生きる」エネルギーを奮い立たせるための、「死」を強く意識するのだろう。
たまに、そのまま成功(?)して死んでしまう人がいるけど、その前になんとかこういう体験談を話せる人との出会いがあったらなら、なんらかの変化ができるかもしれない。
2年前に当事者と一緒に設立した「TKS多摩(体験交流集会)」
は、そういう出会いが第一の目的。
「自分たちの体験談を言いっぱなし、聞きっぱなし」がルール。
なんらかの、気付きが生まれてくれたら嬉しいんだけどな。

そうそう、この映画のラスト。。。。
なんとも中途半端なんです。それがなんともよろしい。
眠くない夜にオススメの映画です。
http://www.sankei.co.jp/mov/yodogawa/98/980113ydg.html

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